さて、数年振りのBLOG更新である。
久々に筆を取ってみた理由は至極単純なもので、夢であった2023年度のPBPに参加し、87時間40分で無事に認定完走と相成ったためである。本記事はその備忘録である。
【準備】
当初、自分はPBPに参加する予定は無かった。というのも、渡航費用を筆頭に金がかかり過ぎるからである。一応これでも結婚している身。妻からの許可はまぁ確実に降りないだろうな…というのが見立てであった。加えて、開催日程の問題もある。今年の開催日程は8/20(日)~8/24(木)と、日本のお盆休みとはほぼ一週間ズレる形となる。(欧米ではこの時期がサマーバケーション…要は夏期休暇の時期である)職場での理解を得ることは難しいだろう…と考えていた。
しかし、2023年の1月頃にこのPBPの話を雑談がてら職場でしてみたところ、あっさり「どうせ需要も落ち込んで閑散期だし、有給も余ってんなら行ってきたら?」と上司から言われてしまった。
さて、残りは妻への説得である。最初にツアーを利用した場合のトータル費用を伝えたところ「高過ぎる。論外」とツレない返事を頂戴したが、これは想定内。『ツアーを利用せず、全て自分で手配する』ことで費用をツアー利用時の6割程度に抑える形で、何とか許可を取り付けることができた。
この時点で2023年度のSRは既に取得済であったため、必要なタスクは以下の通りであった。
・航空券の手配
・宿の手配
・CDG空港から宿への移動手段の検討
・プレレジ&本エントリー
・自転車に搭載するバッグ類や補給食などの細々とした必要物資の調達
・スプロケ、チェーン、チェーンリング、シフトワイヤー、タイヤ等の消耗品を事前交換
航空券の手配は私が探していた時点では8/15~8/17の期間中のKIX~CDG直行便は既に無く、トランジット時間も含めてそれなりの長時間を要することになってしまうが、サービスの良さに定評のあるシンガポール航空(チャンギ空港経由。関空~チャンギ:6時間30分+チャンギ待機時間:7時間30分+チャンギ~シャルル・ド・ゴール:13時間30分)で8/16(水)発のチケットを手配。往復で約16万円であった。なお、予約に際し預け入れ荷物に自転車がある旨を航空会社へ事前連絡しておくことを強く推奨する。同じ便で自転車の預け入れ台数が多過ぎる場合、最悪当日に預け入れを断られる可能性があるためである。
空港から宿への移動手段については、当初はパリ市のモンパルナス駅までバスか鉄道(RERのB線)を使って移動し、そこからN線沿いの宿を手配して移動するか…と算段を立てていたが、パリ市内は非常にスリが多いこと、エスカレーターやエレベーターの類が殆ど無く、自転車という大荷物を伴っての移動は極めて困難を極めるとのことであったため、少々値は張るがスリへの保険と移動の手間賃としてUberタクシーを利用することとした(現地の子育て世帯や要介護者は一体どうやって移動しているんだろう?)。とは言うもののこのタクシーでの移動に際し、極力費用を抑えたかったためTwitter上で乗り合わせ希望を募ったところtessyさんが名乗りを上げてくださった。聞くとCDGへも同じ便に乗ってフランス入りするとのことであったため、チャンギ空港で落ち合う形となった。そして後々、tessyさんにはかなり助けられることとなる…。
続いて宿の手配であるが、こちらも知人から「サンカンタンという町のカンパニールホテルが利便性も高くオススメ」と聞いたためそちらを手配…したつもりだったのだが、どうやら私が手配したのは違うサンカンタンの街のホテルであり、スタート会場となるランブイエとは160kmほど離れた場所であったことが6月に発覚。慌てて取り直すことになるももう既にPBP参加者+夏期休暇旅行者にめぼしいホテルはとっくに全て抑えられてしまっている状況であった。このサンカンタン間違いは割とあるあるのようであり、次回以降の参加者へは「予約すべきはサンカンタン=アン=イブリーヌ(イブリーヌ県のサンカンタン)のホテルである」と強調しておく(余談だが、『サンカンタン』という地名は教会由来のものであり、フランス全土に存在する地名のようである。日本でいうところの『一宮』がイメージとしては近いか)。途方に暮れていたところ、タクシーに同乗することとなっていたtessyさんから「もし良ければ同じ宿に泊まりませんか?」とありがたい申し出が。何でも「Airbnbで民泊を予約しているのだが、一人なら追加で泊まれる」とのことであったため、お言葉に甘えさせていただくことに。これで宿泊拠点についても何とかクリアである。宿の場所はきちんと地図で確認しておこうね。
https://x.com/on_gutti/status/1673853897973313536?s=46&t=hj__8inqKeUpy0zyWO3hgQ
プレレジおよび本エントリーについては、正直結構戸惑った。エントリーに際しては事前に専用のアカウントを作っておく必要があったにも関わらず、そのことを失念してしまっていたためアカウントを作りながらのエントリーとなってしまった。その結果、最速での出走時間が8/20の19:00(M組)だったため、その時間帯でエントリーする形に。まぁ、しかし正直出走時間の差は基本的には些事なのであまり気にしなくても良いとは先にここで言っておく。ちなみにPBP公式ジャージの購入は見送り、スタート前のウェルカムミールスについては逆に申し込んでおいた。家にはサイクルジャージはもう既に間に合っていること際限なく溜まっていくよね…、スタート前にカーボローディングをしておきたいと考えたためである。
新規で調達が必要だったものは以下の通り
・自転車運搬用のケース
・montbellフロントバッグ(大量の補給食運搬のため)
・ORTLIEB シートパックM(大型サドルバッグ)
・ブレーキキャリパー共締めのライトブラケット(ハブライトホルダーとあわせ、2灯体制に)
・補給食(スローバー27本+羊羹15個+おやつカルパス30個+アルファ米5袋)
・CAMELBAKのマッドキャップ×2(衛生面に配慮)
・おしりセレブ(ウォッシュレットが皆無なのはもちろん、紙が無いことも多いとのことなので)
・エマージェンシーシート×5
・ノンアルコールウェットティッシュ
・コンセント変換プラグ(フランスで使えるB型&C型)
・Vipro'sのmuon(SDSの入手が容易なため)
・eSIM(ORANGE)
・CATEYEのVOLT800NEO
自転車運搬用のケースはBTB社の輪行箱を購入する予定であったが、同じくPBPに参加する知人から「今回はハードケース(B&WのBIKE BOXⅡ)は使わないから、良かったら貸しますよ」とこれまたありがたい申し出があったため、やはり甘えさせていただくことにした。ライトはRN1500×2+VOLT800×3(さらに予備としてドロップバッグにエコノムフォースとVOLT200を各1個)で臨むつもりだったが、「本体にバッテリー容量の記載の無いRN1500は、運が悪いと空港で没収となる可能性がある」ことに思い至り、急遽VOLT800NEOを用意することとした。コスパに優れるRN1500といえども、2本共没収されてしまった場合は流石に金銭的にもそれなりに痛い上に、何より突発的に目論見が狂うのは極力避けたい。こちらで事前に確実に潰せる不安要素は潰しておくべき、と考えたためである。
現地でのスマホの通信手段であるが、私が使用しているiPhone13miniはデュアルSIMならびにeSIMに対応していることもあり、「EUのdocomo」と称される安心のORANGEのeSIMを用意。これに加えて万が一現地での開通に失敗した時のため、念のためにやはりORANGEの物理SIMカードも持って行く。
そして持って行く自転車であるが、こちらは迷うことなくクロモリフレームのロードバイクであるRALEIGHのCarltonとした。所有しているロードバイクは他にカーボンフレームであるWILIERのGTRteam(リムブレーキ仕様)もあるが、Di2周りで飛行機輪行や現地でメカトラブルが発生すると面倒なこと、バッテリー残量の管理もしたくなかったこともあったため選択肢から外した。エントリーグレードの鉄フレームということで、ひたすらアップダウンを繰り返すPBPのコースレイアウトに適しているとは言えないかもしれないが、普段からブルベにも使用しているし昨年10月にはTOキャノボも達成しているバイクである。実績としては特に不足は無いだろう。え?ランドナー?あいつは流石に重過ぎる。
出国の一ヶ月前にはスプロケやワイヤー、タイヤといった消耗品も全て交換し、直前には実際にPBP中の本番想定での装備で試運転も行い、装備の改善を図った。これで万全の状態である。
https://x.com/on_gutti/status/1687585163746885633?s=46&t=hj__8inqKeUpy0zyWO3hgQ
【フランス入り】
夏期休暇突入である。自転車の梱包を済ませ買い出しも完了。あとは飛行機に乗るばかり…というタイミングでまさかの台風が関西地方に直撃する予報。幸いにもフライト前日である8/15には通過してくれたためフライトには影響が無かったものの、気が気ではなかったというのが正直なところ。
そんなこんなでいよいよ出立の日である。数年前に一度だけ台湾旅行はしたものの、そちらはツアーを利用しての旅行であったため今回が実質初めての海外渡航。台湾なんて沖縄の延長線みたいなところあるし不安とワクワクと二つの感情が交錯しながら最寄り駅から電車に乗り込んだ。その車内にてスマホでのオンラインチェックイン(搭乗手続き)を先に済ませておく。こうすることで空港での預け入れ荷物受付の行列待ちを大幅に短縮することが可能だ(実際、この日はチェックインカウンターがかなりの長蛇の列となっており、オンラインチェックインを事前に行っていなかったら危険であった)。予定通りフライトの2時間前に関西国際空港に到着。事前に航空会社に預け入れ荷物に自転車がある旨を伝えていたこともあり、重量も規定内であったため手続きは比較的スムーズに完了した。ちなみにシンガポール航空を利用する場合、事前に入会費・年会費無料のクリスフライヤー会員になっておくことで、受付の際に申告すれば機内Wi-Fiが無料で使い放題となる。フライト時間も長く確実に暇になるので、ツイ廃が計20時間もネット無しで耐えられるわけがないシンガポール航空を利用する場合は是非とも忘れずに手続きしておこう。なお、家から金属クリート付のSPDシューズを履いていったため、金属探知機で引っかかるかと思ったが特にそんなことは無かった。それどころか、モバイルバッテリーやライトについても特に容量が調べられたりもしなかったし、チェーンオイルのSDSすら無用の長物であった。
そしてドンブラコと機内食(美味しい)を食べたりゲームしたりで飛行機に乗る事7時間、ひとまず無事にシンガポールが誇る世界最大のハブ空港のチャンギに到着。tessyさんとも無事に合流を果たし、これまたANAのゴールドアライアンス会員であるtessyさんのご厚意により、第三ターミナルのラウンジにIN。ビュッフェに舌鼓を打ちながらお互いのPBPの作戦やタイムスケジュールについて語り合い、シャワーも浴びたりしていたらあっという間に搭乗時間に。尻の痛さに「エコノミーとかいう現在の奴隷輸送船は国際条約で禁止すべきだ」と心中で毒づいたり寝たりTLの巡回などで何とか13時間ものフライトを終え、ついにフランスに到着。と、遠かった…。
eSIMの切り替えも特に問題無く完了し(eSIMはやはり物理SIMカードの抜き差しや、それに伴う管理工程ならびに紛失リスクが無いのは大きい)、入国審査も英語力に長けたtessyさんのコバンザメとなることで問題無く通過。こいつマジでtessyさんのおんぶにだっこだな
搭乗便の到着にあわせて既に予約していたUberが到着していたものの、預けていた自転車がなかなか荷物受け取り場に運ばれてこなかったこと、両替所が思いの外混んでおり時間を喰ってしまったことで2時間近く待たせてしまうこととなった(両替待ちの間、tessyさんは他の国からのPBP参加者とソッコーで仲良くなっていた。コミュ力おばけか)。時間に余裕があるのであれば、Uberの手配は空港での諸手続きが一通り済んでからにした方が良いだろう。ひとまず運転手に待たせてしまったことを平謝りしながら車に荷物を載せて自分達も乗り込む。Vanタイプの車種を予約していたためすんなりと事は進んだ。窓から見えるフランスの高速道路の景色に感動を覚えていたのも束の間、飛行機疲れもあってすぐに車酔いと戦う羽目になってしまった(あとで聞いたらtessyさんもやはりグロッキーだったらしい。運転も荒かったしね…)。途中、ガソリンスタンドで運転手からコーヒーを奢ってもらいつつLA Verriereにある宿泊場所に到着。どうやら我々が寝泊まりするのは民家の離れを宿泊可能なように改良したコテージのようである。tessyさんは2階、自分は1階で過ごすことに。とりあえず良い時間だったのでまずは散歩も兼ねて昼食に繰り出す。近くにあったハンバーガー屋で腹を満たしたあと(物凄くボリュームがあって美味い上に、価格も日本の似たようなお店で食べるのとほとんど変わらなかった。)、折角なのでそのまま散歩へ。高速道路出口にある聖堂騎士団の駐屯地なんかを見て回ることになったのだが…とにかく蒸し暑い。今年の夏はフランス全土を記録的な猛暑が襲っており、PBP走行中も含めてフランス滞在中はずっとこの高温環境に苦しめられることになるのだが、この時の我々はまだそんなことは露も知らなかった…。
https://x.com/on_gutti/status/1692498288988045778?s=46&t=hj__8inqKeUpy0zyWO3hgQ
「暑い暑い」言いながら、駅前のスーパーで食料品を買い込みつつ宿に戻り、自転車の組み立てを開始する。二人とも車体は特にトラブルは発生していないことが確認され、ひとまずは安心。そのまま夕刻を迎えたので先ほど買い込んだ晩御飯を食べ(惣菜パンが異常に上手かったのと対照的に、野菜がとにかくパッサパサだわ苦いわでマズかったのが印象的だった)、うとうとしていたら気が付くと22時30分。シャワーを浴びてもう一度朝まで熟睡することとなった。
じかーいじかい↓
PBP2023レポート② : 凡脚週末ローディの戯言 (livedoor.blog)
久々に筆を取ってみた理由は至極単純なもので、夢であった2023年度のPBPに参加し、87時間40分で無事に認定完走と相成ったためである。本記事はその備忘録である。
【準備】
当初、自分はPBPに参加する予定は無かった。というのも、渡航費用を筆頭に金がかかり過ぎるからである。一応これでも結婚している身。妻からの許可はまぁ確実に降りないだろうな…というのが見立てであった。加えて、開催日程の問題もある。今年の開催日程は8/20(日)~8/24(木)と、日本のお盆休みとはほぼ一週間ズレる形となる。(欧米ではこの時期がサマーバケーション…要は夏期休暇の時期である)職場での理解を得ることは難しいだろう…と考えていた。
しかし、2023年の1月頃にこのPBPの話を雑談がてら職場でしてみたところ、あっさり「どうせ需要も落ち込んで閑散期だし、有給も余ってんなら行ってきたら?」と上司から言われてしまった。
さて、残りは妻への説得である。最初にツアーを利用した場合のトータル費用を伝えたところ「高過ぎる。論外」とツレない返事を頂戴したが、これは想定内。『ツアーを利用せず、全て自分で手配する』ことで費用をツアー利用時の6割程度に抑える形で、何とか許可を取り付けることができた。
この時点で2023年度のSRは既に取得済であったため、必要なタスクは以下の通りであった。
・航空券の手配
・宿の手配
・CDG空港から宿への移動手段の検討
・プレレジ&本エントリー
・自転車に搭載するバッグ類や補給食などの細々とした必要物資の調達
・スプロケ、チェーン、チェーンリング、シフトワイヤー、タイヤ等の消耗品を事前交換
航空券の手配は私が探していた時点では8/15~8/17の期間中のKIX~CDG直行便は既に無く、トランジット時間も含めてそれなりの長時間を要することになってしまうが、サービスの良さに定評のあるシンガポール航空(チャンギ空港経由。関空~チャンギ:6時間30分+チャンギ待機時間:7時間30分+チャンギ~シャルル・ド・ゴール:13時間30分)で8/16(水)発のチケットを手配。往復で約16万円であった。なお、予約に際し預け入れ荷物に自転車がある旨を航空会社へ事前連絡しておくことを強く推奨する。同じ便で自転車の預け入れ台数が多過ぎる場合、最悪当日に預け入れを断られる可能性があるためである。
空港から宿への移動手段については、当初はパリ市のモンパルナス駅までバスか鉄道(RERのB線)を使って移動し、そこからN線沿いの宿を手配して移動するか…と算段を立てていたが、パリ市内は非常にスリが多いこと、エスカレーターやエレベーターの類が殆ど無く、自転車という大荷物を伴っての移動は極めて困難を極めるとのことであったため、少々値は張るがスリへの保険と移動の手間賃としてUberタクシーを利用することとした(現地の子育て世帯や要介護者は一体どうやって移動しているんだろう?)。とは言うもののこのタクシーでの移動に際し、極力費用を抑えたかったためTwitter上で乗り合わせ希望を募ったところtessyさんが名乗りを上げてくださった。聞くとCDGへも同じ便に乗ってフランス入りするとのことであったため、チャンギ空港で落ち合う形となった。そして後々、tessyさんにはかなり助けられることとなる…。
続いて宿の手配であるが、こちらも知人から「サンカンタンという町のカンパニールホテルが利便性も高くオススメ」と聞いたためそちらを手配…したつもりだったのだが、どうやら私が手配したのは違うサンカンタンの街のホテルであり、スタート会場となるランブイエとは160kmほど離れた場所であったことが6月に発覚。慌てて取り直すことになるももう既にPBP参加者+夏期休暇旅行者にめぼしいホテルはとっくに全て抑えられてしまっている状況であった。このサンカンタン間違いは割とあるあるのようであり、次回以降の参加者へは「予約すべきはサンカンタン=アン=イブリーヌ(イブリーヌ県のサンカンタン)のホテルである」と強調しておく(余談だが、『サンカンタン』という地名は教会由来のものであり、フランス全土に存在する地名のようである。日本でいうところの『一宮』がイメージとしては近いか)。途方に暮れていたところ、タクシーに同乗することとなっていたtessyさんから「もし良ければ同じ宿に泊まりませんか?」とありがたい申し出が。何でも「Airbnbで民泊を予約しているのだが、一人なら追加で泊まれる」とのことであったため、お言葉に甘えさせていただくことに。これで宿泊拠点についても何とかクリアである。宿の場所はきちんと地図で確認しておこうね。
https://x.com/on_gutti/status/1673853897973313536?s=46&t=hj__8inqKeUpy0zyWO3hgQ
プレレジおよび本エントリーについては、正直結構戸惑った。エントリーに際しては事前に専用のアカウントを作っておく必要があったにも関わらず、そのことを失念してしまっていたためアカウントを作りながらのエントリーとなってしまった。その結果、最速での出走時間が8/20の19:00(M組)だったため、その時間帯でエントリーする形に。まぁ、しかし正直出走時間の差は基本的には些事なのであまり気にしなくても良いとは先にここで言っておく。ちなみにPBP公式ジャージの購入は見送り、スタート前のウェルカムミールスについては逆に申し込んでおいた。家にはサイクルジャージはもう既に間に合っていること際限なく溜まっていくよね…、スタート前にカーボローディングをしておきたいと考えたためである。
新規で調達が必要だったものは以下の通り
・自転車運搬用のケース
・montbellフロントバッグ(大量の補給食運搬のため)
・ORTLIEB シートパックM(大型サドルバッグ)
・ブレーキキャリパー共締めのライトブラケット(ハブライトホルダーとあわせ、2灯体制に)
・補給食(スローバー27本+羊羹15個+おやつカルパス30個+アルファ米5袋)
・CAMELBAKのマッドキャップ×2(衛生面に配慮)
・おしりセレブ(ウォッシュレットが皆無なのはもちろん、紙が無いことも多いとのことなので)
・エマージェンシーシート×5
・ノンアルコールウェットティッシュ
・コンセント変換プラグ(フランスで使えるB型&C型)
・Vipro'sのmuon(SDSの入手が容易なため)
・eSIM(ORANGE)
・CATEYEのVOLT800NEO
自転車運搬用のケースはBTB社の輪行箱を購入する予定であったが、同じくPBPに参加する知人から「今回はハードケース(B&WのBIKE BOXⅡ)は使わないから、良かったら貸しますよ」とこれまたありがたい申し出があったため、やはり甘えさせていただくことにした。ライトはRN1500×2+VOLT800×3(さらに予備としてドロップバッグにエコノムフォースとVOLT200を各1個)で臨むつもりだったが、「本体にバッテリー容量の記載の無いRN1500は、運が悪いと空港で没収となる可能性がある」ことに思い至り、急遽VOLT800NEOを用意することとした。コスパに優れるRN1500といえども、2本共没収されてしまった場合は流石に金銭的にもそれなりに痛い上に、何より突発的に目論見が狂うのは極力避けたい。こちらで事前に確実に潰せる不安要素は潰しておくべき、と考えたためである。
現地でのスマホの通信手段であるが、私が使用しているiPhone13miniはデュアルSIMならびにeSIMに対応していることもあり、「EUのdocomo」と称される安心のORANGEのeSIMを用意。これに加えて万が一現地での開通に失敗した時のため、念のためにやはりORANGEの物理SIMカードも持って行く。
そして持って行く自転車であるが、こちらは迷うことなくクロモリフレームのロードバイクであるRALEIGHのCarltonとした。所有しているロードバイクは他にカーボンフレームであるWILIERのGTRteam(リムブレーキ仕様)もあるが、Di2周りで飛行機輪行や現地でメカトラブルが発生すると面倒なこと、バッテリー残量の管理もしたくなかったこともあったため選択肢から外した。エントリーグレードの鉄フレームということで、ひたすらアップダウンを繰り返すPBPのコースレイアウトに適しているとは言えないかもしれないが、普段からブルベにも使用しているし昨年10月にはTOキャノボも達成しているバイクである。実績としては特に不足は無いだろう。え?ランドナー?あいつは流石に重過ぎる。
出国の一ヶ月前にはスプロケやワイヤー、タイヤといった消耗品も全て交換し、直前には実際にPBP中の本番想定での装備で試運転も行い、装備の改善を図った。これで万全の状態である。
https://x.com/on_gutti/status/1687585163746885633?s=46&t=hj__8inqKeUpy0zyWO3hgQ
【フランス入り】
夏期休暇突入である。自転車の梱包を済ませ買い出しも完了。あとは飛行機に乗るばかり…というタイミングでまさかの台風が関西地方に直撃する予報。幸いにもフライト前日である8/15には通過してくれたためフライトには影響が無かったものの、気が気ではなかったというのが正直なところ。
そんなこんなでいよいよ出立の日である。数年前に一度だけ台湾旅行はしたものの、そちらはツアーを利用しての旅行であったため今回が実質初めての海外渡航。台湾なんて沖縄の延長線みたいなところあるし不安とワクワクと二つの感情が交錯しながら最寄り駅から電車に乗り込んだ。その車内にてスマホでのオンラインチェックイン(搭乗手続き)を先に済ませておく。こうすることで空港での預け入れ荷物受付の行列待ちを大幅に短縮することが可能だ(実際、この日はチェックインカウンターがかなりの長蛇の列となっており、オンラインチェックインを事前に行っていなかったら危険であった)。予定通りフライトの2時間前に関西国際空港に到着。事前に航空会社に預け入れ荷物に自転車がある旨を伝えていたこともあり、重量も規定内であったため手続きは比較的スムーズに完了した。ちなみにシンガポール航空を利用する場合、事前に入会費・年会費無料のクリスフライヤー会員になっておくことで、受付の際に申告すれば機内Wi-Fiが無料で使い放題となる。フライト時間も長く確実に暇になるので、
そしてドンブラコと機内食(美味しい)を食べたりゲームしたりで飛行機に乗る事7時間、ひとまず無事にシンガポールが誇る世界最大のハブ空港のチャンギに到着。tessyさんとも無事に合流を果たし、これまたANAのゴールドアライアンス会員であるtessyさんのご厚意により、第三ターミナルのラウンジにIN。ビュッフェに舌鼓を打ちながらお互いのPBPの作戦やタイムスケジュールについて語り合い、シャワーも浴びたりしていたらあっという間に搭乗時間に。尻の痛さに「エコノミー
eSIMの切り替えも特に問題無く完了し(eSIMはやはり物理SIMカードの抜き差しや、それに伴う管理工程ならびに紛失リスクが無いのは大きい)、入国審査も英語力に長けたtessyさんのコバンザメとなることで問題無く通過。こいつマジでtessyさんのおんぶにだっこだな
搭乗便の到着にあわせて既に予約していたUberが到着していたものの、預けていた自転車がなかなか荷物受け取り場に運ばれてこなかったこと、両替所が思いの外混んでおり時間を喰ってしまったことで2時間近く待たせてしまうこととなった(両替待ちの間、tessyさんは他の国からのPBP参加者とソッコーで仲良くなっていた。コミュ力おばけか)。時間に余裕があるのであれば、Uberの手配は空港での諸手続きが一通り済んでからにした方が良いだろう。ひとまず運転手に待たせてしまったことを平謝りしながら車に荷物を載せて自分達も乗り込む。Vanタイプの車種を予約していたためすんなりと事は進んだ。窓から見えるフランスの高速道路の景色に感動を覚えていたのも束の間、飛行機疲れもあってすぐに車酔いと戦う羽目になってしまった(あとで聞いたらtessyさんもやはりグロッキーだったらしい。運転も荒かったしね…)。途中、ガソリンスタンドで運転手からコーヒーを奢ってもらいつつLA Verriereにある宿泊場所に到着。どうやら我々が寝泊まりするのは民家の離れを宿泊可能なように改良したコテージのようである。tessyさんは2階、自分は1階で過ごすことに。とりあえず良い時間だったのでまずは散歩も兼ねて昼食に繰り出す。近くにあったハンバーガー屋で腹を満たしたあと(物凄くボリュームがあって美味い上に、価格も日本の似たようなお店で食べるのとほとんど変わらなかった。)、折角なのでそのまま散歩へ。高速道路出口にある聖堂騎士団の駐屯地なんかを見て回ることになったのだが…とにかく蒸し暑い。今年の夏はフランス全土を記録的な猛暑が襲っており、PBP走行中も含めてフランス滞在中はずっとこの高温環境に苦しめられることになるのだが、この時の我々はまだそんなことは露も知らなかった…。
https://x.com/on_gutti/status/1692498288988045778?s=46&t=hj__8inqKeUpy0zyWO3hgQ
「暑い暑い」言いながら、駅前のスーパーで食料品を買い込みつつ宿に戻り、自転車の組み立てを開始する。二人とも車体は特にトラブルは発生していないことが確認され、ひとまずは安心。そのまま夕刻を迎えたので先ほど買い込んだ晩御飯を食べ(惣菜パンが異常に上手かったのと対照的に、野菜がとにかくパッサパサだわ苦いわでマズかったのが印象的だった)、うとうとしていたら気が付くと22時30分。シャワーを浴びてもう一度朝まで熟睡することとなった。
じかーいじかい↓
PBP2023レポート② : 凡脚週末ローディの戯言 (livedoor.blog)