本日の記事はSHIMANO製紐式リア変速の互換性についてです。

といっても、「トータルキャパシティ・歯数差が云々」という話ではなく(そもそもそれについては他に解説してくれている記事も沢山ありますし…)、いわゆる変速段数・年式についてです。


スポーツ自転車の楽しさ・魅力の一つに『機材をアップグレードする悦び』というものがあることについては、異論は無いと思います。機材マウントはダメ、絶対

しかし、近年コンポーネント周りについてはメーカー発表の互換性表は複雑さを極めており、また、一昔前の部品については網羅されていなかったりします。

当然、コンポーネントは年式・グレードを揃えるというのは基本かつ大前提ではありますが、それでハイお終い…と話を終わらせてしまっては身も蓋も無いので、ちょっと突っ込んで話をしたいと思います。
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"コンポーネント"という概念は、70年代にSHIMANOより初代DURA-ACEから提唱されてきた


ただ、全ての部分について一気に書くと大変なので、今回はまず8~11速世代のSHIMANO製リアディレーラーについてフォーカスします。10速以降のMTB系コンポについてはよくわからなかったため、とりあえず今回は触れません


まず、SHIMANO製の紐式リア変速については、下記の2種類に分類することが可能です。


A群(旧世代規格)
・全ての8段変速(MTBコンポ含む)
・全ての9段変速(MTBコンポ含む)
・4700系TIAGRAを除く全てのロード用10段変速

B群(新世代規格)
・4700系TIAGRA
・全てのロード用11段変速


そして上記の分類同士のコンポであれば、
変速レバーとリアディレーラーは年式・グレード問わずちゃんぽんが可能となっています。

理由は“レバー比”です。
ここで“レバー比"について簡単に説明しておくと、
要は「ワイヤーを1mm引っ張った時、RDがどれだけ動くか?」という規格のことです。
これがA群のコンポとB群のコンポでは共通なんですね。

なので
タイトルなし
これらは全て使用可能です。

一方、
タイトルなし2
といった組み合わせは使用不可能です。
どう調整しても、まともに変速しないでしょう。
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著者のシクロクロス。メインコンポはロード用10速コンポの6700系ULTEGRA

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RDにはXTグレードのRD-772-SGS(9速用MTBリアディレーラー)を採用。問題無く変速します

上記を念頭に置いておけば、手元の余っている部品を利用してのレストアや部分的なアップグレードも可能ですので、是非参考にしてみてください。
カンパやSRAM、10速以降のMTBコンポについては各自で勝手に調べてください